生体造形モデルの導入が歯科にもたらす3つのメリットをご紹介
整形外科や脳外科の分野において、臨床にも応用されつつある生体造形モデル。歯科医療では、まだまだ導入しているところが少ないのが現状です。しかし、立体的な模型があると、難症例のインプラントや抜歯を行う際により安全な治療が期待できます。今回の記事は、そんな生体造形モデルのメリットを3つにまとめました。是非ご覧ください。
■生体造形モデルとは
生体造形モデルは、患者さんの口腔内をCTスキャンした後に得られたデータをもとに、3D造形プリンターを用いて作られます。
インプラントを含む歯科口腔外科分野においては、術前の綿密な検査がかかせません。CTを用いれば骨の埋まっている位置、細かな血管や神経の位置などがわかります。さらに、生体造形モデルを組み合わせることで、アプローチの難しい箇所の分析、患者様への説明といった手術のシミュレーションを的確に行えるのです。
難しい親知らずの抜歯、骨の薄い方に行うインプラント治療などに関して、経験や知識に頼らず、精緻な手術計画が立案できます。安全性を極限まで高められるため、現在注目を浴びている分野です。
■歯科における3つのメリット
実例をもとに、生体造形モデルのメリットを3つにまとめました。
●メリット1:正確な検査によって精密な治療へ
患者様の口腔内と同じ模型が作成できるため、インプラントや親知らずの抜歯に効果的です。特に、骨の量が少ない患者様に対して、サイナスリフトやソケットリフトの術式を用いる際に役立ちます。安全な手術計画によって、神経損傷や血管損傷のリスクを最小限に抑えられます。
●メリット2:情報共有や症例発表にも応用可能
実際に模型があれば、単なるデータを超えて様々な症例研究に役立てることができます。医師同士の症例発表、歯科衛生士との情報共有。患者さんへのコンサルティングなど多方面に高い実績を誇ります。実際に、施術シミュレーションモデルの作成例は多数あり、歯科医院や教育機関など様々な分野での利用が始まっています。
●メリット3:患者さんとのコミュニケーションにも役立つ
手で見て触れられるという安心感は患者さんとの効果的なコミュニケーションに繋がります。今までイメージでしかわからなかったものが目の前にあるからこそ、正しい情報を伝えるツールとして役立ち、より患者さんの満足度に繋がっていくのです。
■いくつかのデメリットも
メリットばかりに思える生体造形モデル。ただし、デメリットもいくつか考えられます。
●通常工数より料金や時間がかかる
模型を作成すると工数は増えるので、時間やお金がかかるのは間違いありません。ただ、実際に工数をかけた分、自費治療の導入に繋がり、口コミも期待できます。
●歯科生体造形モデルに対応しているデータが必要
どのようなデータでも作成可能なわけではありません。出力が出来ないデータも存在するため、一度ご相談いただければと思います。
■実際の問い合わせ例
「レントゲンや3D画像ではなく、模型を作ってほしい」という潜在的なニーズは数多く存在します。実際に当院に問い合わせが来た例としては、患者様の骨が薄く、一般的なインプラント手術は困難なケース。「上顎洞底挙上術(サイナスリフト)」を行いたいので、より安全性を高められる生体造形モデルの作成をお願いしたいというお話でした。
■まとめ
安全な手術には、3次元のモデルを作製し、立体的なイメージを確認して臨む事が重要です。直視しにくい部分の立体的な把握ができるので、CTと生体造形モデルを組み合わせれば、様々な難症例に対応可能です。
生体造形モデルを用いた手法は、手術時に「大きさが合わない」「形が合わない」といったトラブルを回避できるため、安全性の追求には欠かせません。
実際に多くの症例に関して、当院でも生体造形モデルを用いてきました。ご不明な点などがあれば資料とともに詳しくご説明しますので、是非一度お気軽にご相談ください。
※お問合せの際、「生体造形モデルのメディコデンタルのサイトを見ました」とお伝えください。